ハウスインフォ・スタッフブログ

設計監理費用の高い事務所?安い事務所?(3)

time 2012/02/16

設計監理費用の高い事務所?安い事務所?(1)
設計監理費用の高い事務所?安い事務所?(2)

永らくあいていましたが(3)です。

内容の違う物を同じ土俵で比較しないのに、何故、設計監理費用だけ単純に比較してしまうのでしょうか。

それは内容が明確になっていないからだと私は考えます。

では設計監理費用とはどんな事をするのでしょう、そして何が違うのでしょう箇条書きにしてみましょう。

・基本設計
敷地に対してどんな建物を建てるのか、外観や間取りはどうするのか等、配置図・平面図・立面図などでクライアントに解りやすく提案します。この時にパースや模型等で提案する建築士もいます。ハウスインフォの設計コンペのプレゼンテーションがこの基本設計の入口にあたります。工務店や住宅メーカーに直接依頼した場合は基本設計が出来あがると、後はカタログでパーツを選ぶだけの場合があります。基本設計は計画の方向を決める大切な作業です。そして、建築士にとって一番の腕の見せ所でもあります。

・法的チェック
いくらデザインに優れていても法的に基準をクリアしていないと建設には至りません。建築基準法などの法律をクリア出来ているか確認を行います。

・詳細設計
基本設計に基づいて細部の設計を行います。基本設計の図面枚数はどこの事務所でも大方同じぐらいですが、詳細設計の図面の密度には各事務所の考え方の違いから大きく違いがでます。枚数が多い方が良いとは限りませんが、一生に一度のマイホームをせっかく建築士に依頼するのであれば、細部までプロに検討してもらいたいと思うのはクライアントなら誰でも思うでしょう。

・構造設計
構造設計の考え方も事務所によって大きく違います。木造2階建ての場合、4号特例で建築士の判断により構造計算をしなくてもOKという特例があります。しかし、事務所によってはすべての物件を外部の構造計算事務所に検討依頼しているところもあります。構造計算費用は30坪ぐらいの建物でも20~30万円ぐらいかかります。

・設備設計
構造設計と同じく設備設計を外注している事務所としてない事務所では掛る費用に大きな違いがあります。

・確認申請費用
ほんの10年前まで私たちが仕事をしている西播地域では「設計料」と言えば確認申請費用の事だと思っている人がたくさんいました。当時は単独で依頼すると20~30万円ぐらい、現在は50万円程度必要になります。

・見積書の内容の検討
見積書の内容はクライアントにとっては見たことも無い言葉の固まりです。素人では単価や数量が適正なのか見当もつきません。ここでクライアントの代理人として工務店と交渉していくのも建築士の大きな役割です。

・現場監理費用
設計は図面を書いて終了ではありません。図面通り出来ているか確認する為に現場定例会議などを通じて現場監理を行います。たいていの場合一週間に一度ぐらいの割合で現場に来て監理業務を行います。現場監理の行い方も建築士によってちがいます。

まだ他にも仕事はありますが、大まかなところではこんな感じではないでしょうか。

そして、設計監理費用で解りにくいのは、上記の内容の重要度が各事務所それぞれ違う所にあるという所です。基本設計が終われば仕事の半分は終わったという事務所もあれば、詳細設計までで半分という事務所もあります。

私たちのように多くの建築家と一緒に仕事をしていてこそ設計監理費用の比較が出来ますが、はじめて家を検討する方にとって、設計監理費用の高い、安いはとてもわかりにくい物だと思います。

だから、設計監理費用が安い高いで事務所を選ぶのではなく、自分が本当に依頼したいと思える事務所を選ぶ事が大切になってきます。私たちに経験から、気が合うパートナーを見つけることで必ず払った金額以上の成果を得る事が出来ると思っています。

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