2019/08/24
家創りに絶対欠かせないもの「土地」。家創りは凄く勉強されて挑まれる方が
多いのですが、土地に対しては案外一般的な内容でしか検討されません。
「交通機関が便利」「買い物等が便利」「教育機関が近い」「南向き」
「南東の角地」「四角形又は長方形」などです。しかし、本当にそれでいいので
しょうか？一般的に条件がよければ価格が高いのは当たり前です。
そして、どんな人でも総予算があります。その予算を土地、建物でどう分配するか
が重要なポイントになります。意外と土地を購入するときに予算を２～３００万円
オーバーする方が多いようです。２～３００万円、仮に３０坪の住宅と考えると
坪単価６～１０万円分に相当します。住宅設備機器に換算すると超高級キッチン
が買える値段です。ですから土地を購入するときは慎重に考えましょう。
又上記の「南向き」についても少し逆説を考えると、間口の狭い南向きの土地
は私は逆にお勧めしません。南面が道路とすると、駐車場、玄関を取ってしまうと
1階はほとんど南向きの部屋が取れません。そうなるとせっかくの「南向き」も
意味があまり無いように感じます。
それでは、「南東の角地」はどうでしょう。
資金的に余裕がある場合はいいかもしれません。しかし、全体計画から考えて
外構工事に予算をあまりかけられない場合は注意が必要です。
南東の角地、ということは南面と東面は外構（塀や植栽）が無いとあまりにも
開放的過ぎて、家として住みにくい家になる可能性があります。
よく街中で、道路に面している窓が、外部からの視線が気になるのか、いつも
雨戸の閉まっている家をよく見かけます。ですから、いくら南東の角地でも
意味が無ければわざわざ割高なお金を出して買う必要は無いと思います。
それでは一体どの様に土地選びをすればいいのでしょうか？
仮に私が土地を購入して家創りをする場合、まず、家づくりに使ってもよい総額をライフプランから計算します。
それを元に、土地と建物をどの様な振り分けをすればいいのか計画します。
例えば
自己資金500万円＋住宅ローン3500万円＝合計4000万円
それを
土地資金1500万円＋住宅資金2000万円＋諸経費500万円
（本当はもっと詳細に・・(^^ゞ）
といった具合です。
そして自分たちが計画した土地資金の範囲ないで探す事にします。
土地は100～200万円違うと条件もよくなるので、決めた金額内で探すようにします。
もし、金額オーバーする場合はライフプランも修正が必要です。とにかく「大体、
なんとなく」では進めないことです。
そして土地選びですが、土地の専門家（不動産屋さんも）だけでなく
建物の専門家（理想は建築家、もしくは私たち）にもアドバイスをもらいながら
探すことです。
土地の良し悪しは土地の専門家にはわかりますが、その土地に建物が建った時の
想定はやはり建物の専門家が必要です。よく雑誌に出てくる住宅などで、
変わった形の土地を安く買い「建築家の力量でいい建物が出来ました」といった
記事もよくありますよね。建物の専門家を入れる事で、そのパターンも想定内に
入れる事が出来ます。
でも、一番大切な「ライフプラン」は何処で計画すればいいのでしょうか？
土地の専門家で計画するとやはり土地中心の計画になりますし、工事会社で計画
すると建物中心の計画になります。では建築家？でも建築家は資金計画は得意と
しません。
ライフプランは家づくりだけでなく、私たちのように人生をトータルで考えてくれるところに依頼するのが良いとかんがえます。
それで私がよくお客さんに「とにかく土地探しから相談してください。
土地を買ってから相談にこられても、資金計画が出来ていなくて、結局ローコスト
の建売住宅しかできないパターンがよくありますから」とお話する事がよくあります。
土地から家づくりをお考えの方はまずライフプランをたててみましょう。
福永義正