H052-揖保郡太子町のリフォーム
【建築家コメント】
1通りの限定された住み方をするような建物に合わせた暮らし方はどこか窮屈で自由な発想力が失われていくように感じます。本来、日本家屋の良さは部屋の用途を限定せず、障子、襖のような仕切りで自由な用途に対応できる良さを持っていました。
家族団らんの場所、食事をする場所、読書等をする場所、くつろぐ場所、寝る場所、接客する場所等。その時間、その季節に合わせて幾通りもの使い方、住み方がありました。
また、部屋用途を限定しないことで、家族個々の距離が近かったようにも思います。
しかし、現在の住宅形式の主流は戦後復興住宅政策によるnLDKという独立した居室のユニット形式で造られています。
計画案では、今主流にある与える住宅ではなく“つくる、考える、発想する”という自由で自然な暮らし方、本来の日本的な空間形式の良さと既存住宅の残すべき素材、環境を継承しながらより豊かで家族の距離が近い、自然の中にいるような空間を計画しています。
設計監理:一級建築士事務所sign
施工:(株)ハウスインフォ
写真:中村写真工房